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「ふん、寿司屋で肉を食うな。
風情もへったくれも無い。」
俺は部下を軽蔑する。
「良いじゃあないっすかー。俺はベッカー警部と違って生身の人間なんすから。兎に角肉食いてーんす。
ってか、ありり?
そう言や先輩、サイボーグのくせに食べるんですね??」
「ふん、要らん詮索だ。クズが。」
俺は精一杯毒づく。
そう、これは無駄な行為だ。
日帰り手術で半機械化された俺は
その日から人間である事を辞めた。
本当を言うと食事も睡眠もセックスも必要無い。
だが、名残と言うかこうして習慣を真似て人間だった頃の模倣を行って自分を騙しているのだ。
今の体はというと肉はおろか米も魚も受け付けず、
毒にも薬にも成らぬ人工イクラを流し込み、脳裏に 残滓を呼び起こしているに過ぎない。
「先輩、追加注文して良いっすか?あとこの娘達の分も。」
「何で俺が奢る前提なんだ?」
━って言うか
いつの間にか女の子に囲まれているルテスミ巡査。
流石、経験値の高いDTは一味違う。
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