桂木の好きがわからない。

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桂木の好きがわからない。

 艶かしく揺れる細い背中に覆い被さって、グッと奥まで突き上げるとミコトの嬌声がワントーン上がった。  「んー……っ、んんっ、あっ、あっ、奥あたっ……っ」  乱れた髪の隙間から覗くうなじに後ろから軽く噛みつくと、ビクッと身体を揺らして感じてくれたのがわかった。  「あっ……んっ……気持ちい……っ、でちゃうっ……いい……?」  「ああ、俺……も、いい……か?」  「ん、深く突いて奥……奥にだして……っ」  双丘を突き出してねだる愛しい人の恥体に、興奮のあまり心臓がギュンと掴まれたように痛んだ。細い腰を両手で掴み、根本まで深く深く夢中でミコトの悦ぶポイントを突く。  「んっんっ……んーっ……」  ミコトの性器の先からビュク、と粘液が吐き出され、抱き締めている身体の力がくたりと抜ける。四つん這いだった身体をベッドの上に横たえて、指示通り奥に出しきった性器を抜きミコトの前に横たわった。  そして向かい合って抱き締める。  汗を吸って首筋に貼り付く少し癖のある明るめの髪が。  さっきまで貪りあっていた赤い唇が。気だるげに伏せられた長い睫毛が。  壮絶に色っぽい。この美しくも妖艶な人が自分の腕の中に居てくれるという事実にくらくらする。  目の前の出来事なのに、いつも夢じゃないかと不安になってしまうくらいだ。  「ん……痛いって……」  「ご、ごめん」  桂木の抗議を受けて、必要以上に力が入ってしまっていた腕の力を抜いた。  桂木は絵の中の天使みたいに浮世離れしているから、次の瞬間にふらっと消えてしまうんじゃないかとさえ本気で思えて、確かめるようについ強く抱き締めてしまう。  『付き合う』ことになってから、一ヶ月経っていた。
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