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初めてした日から、桂木は定期的に俺と会ってくれて、こういうこともしてくれるようにもなった。
部活のある日も時々自分のことを待って一緒に帰ってくれて、こうしてお兄さんのマンションで映画を見たりテスト勉強したり、セックスしたり……たぶん普通の恋人みたいに過ごしている。
今まで自分に恋人が出来たことが無かったので、恋人の過ごし方がこういうものなのか実際にはわからなかったが、想像通りの過ごし方を桂木としている。
桂木は、付き合っている人が三人くらい居ると言っていたが、三人と同時にこういう風に過ごしていたのだろうか。それとも、自分を含めて四人と、現在進行形でお付きあいが続いていたりするのだろうか……。
初めてした日に、希望は伝えた。
おこがましくも、自分以外の相手とは別れて欲しいとお願いしてしまった。
でも、その後他の人とどうしているかは聞いていない。
もしも他の人と付き合いが続いていたとしても、それを咎めたりする資格は自分にはないと思う。
けれど「好きだ」と言い合いながら抱き合っている時に、時々内から沸き上がるような強い嫉妬心が出てくる。
もしも、他の人にも同じことを言いながら、こういうことをしていたら。
この白くて細くて綺麗な身体を、自分が部活をしている間に他の誰かにも見せていたら。
居るのかもわからないその相手が、桂木の身体を好きに蹂躙している想像がよぎって、怒りのあまり強く揺さぶってしまい抗議され、はっと我に返ったこともある。
桂木は自分のことを、最中に時々「好き」と言ってくれる。
今のところ、他の時は言ってもらえたことはない。
もしかしたら、自分との行為のことを「好き」と言っているだけなのかもしれない。
それでもうれしいのだが、桂木の気持ちをもっと知りたいと思う。
いつも行為の時は四つん這いの桂木に覆い被さって穿つ形なので、表情が見えないのが淋しい。
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