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桂木の柔らかい肌を押さえつけていると、無理矢理しているようで、痛いのを我慢をさせているのではないかと心配になるし、それになにより……。
顔を見てしたい。
付き合ってもらえるなんて思ってもみなかったくらいだから、贅沢すぎる悩みだとは理解している。でも、いざそうなってしまうと、もっともっとと底無しの欲望が次から次へと生まれてきてしまう。
後ろ向きでも、愛しいと思う気持ちは変わらないし、気持ちが昂りすぎて、いつも訳がわからなくなりそうなくらい興奮する。
だけど、桂木が、その時どんな気持ちなのかとか、どんな表情で自分を受け入れてくれているのかとかを、知りたいと思う。
ちょっと前に、後ろからするのは痛くないかと聞いた時は、桂木は何ともない顔をして答えた。
「押さえつけられると、ヤられてるって感じがして興奮するし、後ろからぎゅってされるのが好きだから」
僕ちょっとMっ気あるし。と前髪を無造作にかきあげて桂木は言った。
かきあげた前髪の下の額が現れて、一瞬幼い顔に見えた桂木が可愛らしく、ドキッとする。
「……そうか」
一瞬の表情や仕草にもいちいち気持ちを揺らしている自分は、そう言うだけで精一杯だった。
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