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「あー分かる分かる。俺もああいう女の子とお付き合いしたいと思うもん」
「……髪、切った方がいいですか?」
「冗談だからやめろ。長い方が似合ってるから」
「何イチャイチャしているのよ」
拗ねたシルヴィアのご機嫌を取る為に髪を褒めていると、ビオラがジト目で俺たちを見ていた。そのままシルヴィアの隣に座ると、
「悪いけどテオとしか付き合える気がしないわよ」
「分かってる。ライバルは多いみたいだから頑張れよ」
「協力してよ」
「できる範囲ならな」
「……やっぱりあなたとなら良い友達になれるわ」
「どうも」
まぁ幼馴染の男の子に惚れているよな。知ってる知ってる。フラれた回数には増やさないぞ。
そのやり取りにシルヴィアは呆気を取られている。隣に居たビオラが小声で何かを吹き込んでいるが、嫌な予感しかない。
「何を話してる」
「ん? 明日の天気」
「バレバレな嘘をありがとう」
これはロクでもないことを吹き込んだな。酒を飲んでいないのにシルヴィアの頬が真っ赤だ。
席を立ってどこかに逃げようとすると、シルヴィアは俺の服の裾を掴んで逃がさないようにしている。
「あの、タケシさん……これはその、お酒の酔いが……」
「飲んでないよな?」
「もう動けないので、お姫様抱っこをっ…」
「だから飲んでないよな?」
「……じゃあ私が抱っこするので」
「嫌だよ!? 何で変な吹っ切れ方をするのお前!」
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