第6章 リバース&リバース&リバース

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「あー分かる分かる。俺もああいう女の子とお付き合いしたいと思うもん」 「……髪、切った方がいいですか?」 「冗談だからやめろ。長い方が似合ってるから」 「何イチャイチャしているのよ」 拗ねたシルヴィアのご機嫌を取る為に髪を褒めていると、ビオラがジト目で俺たちを見ていた。そのままシルヴィアの隣に座ると、 「悪いけどテオとしか付き合える気がしないわよ」 「分かってる。ライバルは多いみたいだから頑張れよ」 「協力してよ」 「できる範囲ならな」 「……やっぱりあなたとなら良い友達になれるわ」 「どうも」 まぁ幼馴染の男の子に惚れているよな。知ってる知ってる。フラれた回数には増やさないぞ。 そのやり取りにシルヴィアは呆気を取られている。隣に居たビオラが小声で何かを吹き込んでいるが、嫌な予感しかない。 「何を話してる」 「ん? 明日の天気」 「バレバレな嘘をありがとう」 これはロクでもないことを吹き込んだな。酒を飲んでいないのにシルヴィアの頬が真っ赤だ。 席を立ってどこかに逃げようとすると、シルヴィアは俺の服の裾を掴んで逃がさないようにしている。 「あの、タケシさん……これはその、お酒の酔いが……」 「飲んでないよな?」 「もう動けないので、お姫様抱っこをっ…」 「だから飲んでないよな?」 「……じゃあ私が抱っこするので」 「嫌だよ!? 何で変な吹っ切れ方をするのお前!」
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