第1章 遭逢

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 複数の建物を調べたところ驚くことに、いろんなものが残っていた。    と言ってもお宝というわけではなく、本や雑誌、服やゴミなどの大して価値のないものばかりだった。  そして新聞がかなりの量見つかった。  【AD1810 8月19日 S社の記者 殺人容疑で逮捕】  【AD1821 4月3日 行方不明事件 これで4件目】  【AD1833 11月5日 異臭ただよう郊外 近くの工場からか】  【AD1846 2月21日 公害裁判 ついに決着】    どれを見ても物騒な見出しばかりだった。  どうやら今ほど治安はよくなかったみたいだな。    それとどうやら建物は200年近く前のものらしい。  もう調べ尽くしてしまった家の周辺やさっきまでいた廃墟群が100年ほど前のものだから、かなりの間埋まっていたらしい。  そう考えると期待が高まるが、大きな収穫が未だなくつまらなくも感じてしまう。    比較的小さな建物は大体調べ終わったので、最後の一番大きな奥の建物へ向かうとするか。  軽く土を払いのけ建物を出る。  その時、俺が背後の小さな光に気づくことはなかった。
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