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アイスランド近海の大西洋上を2隻の重巡洋艦が航行していた。
「ねえノーフォークちゃん、鉄血の艦隊がここを通るって聞いたよ! あの子にちょっかい仕掛けたら、女王様からもきっと褒めてもらえるって!」
「さ、最新鋭戦艦なんて、ノーフォークたちは勝てるのですか……?」
鉄血艦隊が通ると聞いてテンション高めのケント級重巡洋艦サフォークに、ノーフォーク級重巡洋艦ノーフォークは不安げに問い掛けた。
「それにここは冷たくてノーフォークもう凍りそうですぅ……。早く任務を終わらせて母港に戻りましょう……?」
「大丈夫! 私達はあくまで偵察で、戦闘になったら姉貴達がいるよ!」
さっさと任務を終わらせて母港に戻ろうというノーフォークの提案は無視して、サフォークは最新鋭戦艦に勝てるのかという問いに答えた。
「それにみんなが結構近くにいるから、いざとなっても援護してくれるからね~」
サフォークは楽観的に続ける。
「それにここまで何もなかったし、新鋭艦はもしかしたらもう逃げちゃったかも知れないよ~」
「本当にいたらどうしよう……早く母港に帰りたいです……」
フラグにしか聞こえないサフォークの発言にノーフォークは嫌な予感がした。
「あれ……?」
その瞬間、ノーフォークのレーダーが何かを探知した。
「どうしたの?」
「えっと……この前の海域に異常があるようです」
「なになに? 見せて見せて」
サフォークはノーフォークのレーダーを覗き込んだ。
「これは……鉄血の駆逐艦隊! 偵察部隊かも知れないけど、フッド姉に連絡して!」
嫌な予感が当たったノーフォークにサフォークは指示する。
しかしそれにノーフォークは申し訳なさそうに返した。
「あ、あの……実は発信機のアンテナ、凍り付いてたです……」
その発言にサフォークは半眼でノーフォークを睨んだ。
「…………取り敢えず偵察部隊を足止めするね! 小規模の量産型相手ならきっと大丈夫!」
「や、やっぱり戦闘ですか? ……うぅ……悪い予感がしてたのに……」
フッド達の援護を諦め偵察部隊の足止めをするというサフォークの決断に、ノーフォークは涙声を洩らした。
「サフォークさん、私達凄いです! 一気に敵をここまで倒せました!」
「今のは鉄血のザコ隊よ。偵察部隊があるってことは、もしかして……」
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