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「ほう。それで、こちらの被害は?」
指揮官に促され、ジャベリンは事務的な口調で続ける。
「はい、ノーフォークさんとサフォークさんは副砲座損壊、ウェールズ姉様は主砲小破。フッド姉様は艤装と船体が大破、整備班の見解では修理には4ヶ月掛かるとの事です」
「そうか……4ヶ月も戦線に出せないのは痛いな。しかし、大破で済んで良かった。彼女はうちの主力の一隻だからな、ここで失う訳にはいかん」
「……それと、交戦中にフッド姉様が気付いたのですが、鉄血は『あの力』を使っているようです」
「そうか、連中は『あの力』を……となると、重桜の奴らも『あの力』に手を出していると見て間違いないだろう。……報告ご苦労、下がっていいぞ」
「はい、失礼します」
報告を終えたジャベリンは頭を下げ、執務室から出ていった。
◇ ◇ ◇
「……人類って面白い。力のカケラを授けただけで、またあの歴史を繰り返すとは」
「観察を続けようかしら。私、この子達の将来には期待しているわ。こうでもしなければ、私達がこの時代に戻る意味なんて無いもの。ふふふ……」
◇ ◇ ◇
砕かれた世界──歴史の流れを変えようと、様々な想いを抱く力ある者達。
ぶつかり合う力は、更なる波乱を呼び起こす……
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