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「紫様見付けましたよ」
「ア”ー鬼が来た!」
「誰が鬼ですか、それと冬馬様さっさと紫様から手を離しなさい穢れる」
「俺は病原体かよ」
パシーン!の音と共に冬馬さんの手が離れた。なぁ一瞬で離れたんやけど?
「お怪我はないですか?使い魔から転移の際に魔力が乱れたと聞いてますが異常はございませんか?あとアキラ様に関しては放置して構いません」
「いやそれはアカンやろ」
冬馬さんもそうやけど、腕やら首やら触ってるシュインさんも汗掻いたんか髪の毛が張り付いとる。
シャツもヨレてるし。なんつーかいつもピシッとしてる分ギャップがすごいなぁ。
「シュインさん」
「なんですか?やはりどこか痛いのですか?」
「……ごめんな?」
いきなり謝ったからか一瞬固まったシュインさんやけど、すぐに笑って。
「いいえ、主人を心配するのは従者の務めです。ですが転移する際は注意するようにしてください」
「……ん」
冬馬さんみたいにイライラしとらん、なんつーか扱い慣れてる感?
兄弟おるんかな?
「はぁ、明も待ってるだろうから行くぞ」
「その前に冬馬様は身だしなみを整えてからいらしてください、そろそろ夕食時ですので家へ帰りましょう」
「は?お前も着崩れて――ねぇわ、なんでだよ」
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