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鼻を通る空気が妙に熱くなる。頭の芯が痺れたようになる。やっと人心地ついたような気がした。
もう一回、口をすすいでから手洗いを出た。
本棚をあてもなく見て回る。家庭用医学書が何冊が並んでいるので、取り出しては拾い読みした。
アルコールの過剰摂取による身体疾患の例がいくつも並んでいる。
もちろん、飲み過ぎれば肝臓が悪くなる。肝臓がアルコールを分解できる限度は一日にビールで中瓶一本程度らしい。その程度で満足して飲むのをやめる酒呑みなどいるだろうか。バカげた指標だ。
その限度を越えて飲み続ければ、壊れた肝臓の組織が繊維化して固まってしまう。おそらく今はその段階だろう。もっとも脂肪肝程度だったら一ヶ月とか長くて三ヶ月禁酒すると、たいていは回復するという。もっとも、実際にやるとなると、その一ヶ月の長いことといったらない。
なぜ俺は飲むのか。シラフでいると、長い長い無為な時間に押しつぶされるようになるからだ。それ以上行くと、アルコール性肝炎になる。もっとも割合からいくとウィルス性の肝炎の方が9割がたを占めている。よっぽど飲まない限り、そうそう簡単にはならないらしい。とはいえ、黄疸になった
さらに悪化すると、肝硬変になる。
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