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 言われなくても右の脇腹が中で突っ張ったような感覚からして、相当悪いのは自覚できた。ただ突っ張っているだけでなく、何かごろごろしたものがあるようだ。“沈黙の臓器”と言われる肝臓が悲鳴をあげている。  お腹がごろごろいいだした。物を入れたので、胃腸が動き出した。だが、相当に緩いことがすぐわかったので、急いで二階のトイレに閉じこもった。  勤めている時でも、よくトイレに閉じこもったな。ちくちくイヤミを言われ続けて、お腹が本当に痛くなって、トイレの個室にこもっていると、外からノックしてまたイヤミを言う。よくああいう性格の奴らが、人を使っていられたものだと思う。  用を済ませるとずっと下痢が続いているせいか、お尻が腫れていて痛んだ。ウォッシュレットを入れればずいぶん楽になると思うが、そんな要求ができる立場ではない。せいぜい出せるだけ出しておいて、外でまた用を足す必要にかられないようにするしかない。  ワイシャツを着てネクタイを締め、スーツを着る。  スーツというのも便利な服装だ。これを着ていれば、とりあえず格好はつく。人畜無害であることを証明しながら街を歩くことができる、気がする。高級ホテルに行っても風俗に行っても、それなりにサマになる。  食事が胃の中で落ち着くにつれ、酔いが収まってきた。     
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