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 股関節。大腿骨骨頭壊死といって、大腿骨の股関節を形成する部分(骨頭)が腐ってくる。痛みのために次第に歩けなくなり、日常生活にも支障をきたすようになり、美空ひばりが晩年これで苦しんでいたという。酒は骨まで侵すということか。  飲み過ぎて血を吐くというのは、肝臓が痛むので血が流れにくくなって食道近くを通っている静脈に血が余分にまわってきて破ける、ということらしい。  アルコールを大量に取り続けていると、脳が縮んでくる。  小脳が縮むと足腰が立たなくなって飲酒していないのに千鳥足になる(小脳性歩行)、舌がまわりにくくなる(構音障害)などの症状が出現する。  大脳、特に高度な意識活動を司る大脳の前頭葉が小さくなることがある。前頭葉を人為的に削除する手術(ロボトミー)は、どんな凶暴な精神病患者でもおとなしくなる代わり“人間性が破壊される”という理由で禁止されている。  我ながら、いろいろ知ってる。知識だけはある。  知ってるのはいいとして、だからアルコールが体に悪いってことに変わりがあるのか? 悪いとわかっていて、なんで飲むんだ? 気持ちがいいからか? ちっとも気持ちよくないぞ。むしろ気分は最低だ。  アルコール依存症だな、と思う。自分で思う。思う、ではなくて依存症だ。客観的、医学的な事実だ。     
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