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十年とか長い期間ずっと飲み続けていると、アルコールで脳が変質して“普通”の飲み方ができなくなる。いったん飲むとほどほどのところでやめることができなくなったら、たとえ酒を年がら年中飲むわけではなくても、依存症なのだ。
酒を飲んでいない時は別になんともなくて、何ヶ月でも何年でも、場合によっては何十年でもずうっと飲まないで過ごせるのであっても、いったん飲んだら止められなくなり、元の木阿弥になってしまうのが、依存症なのだ。
アルコール依存症は、「否認の病い」だという。つまり、自分が依存症であることをなかなか認めない。いつでもやめられる、とかセーブできる、とか言い訳を並べる。事実、一回ニ回ちょっと飲んでやめる、程度のことはできたりする。だが、何かの拍子で飲み出したら線が切れたように飲み続ける。
自分は、否認はしない。なるほど自分はアルコール依存症だ。格好つけずにアル中だ、と言ってしまっていいではないか、とも思う。
もっとも、自分がアル中だと認めたからって、偉いわけでもなければ何らかの解決になるわけでもない。
ミニボトルは、二口飲んだ。一本はいつも三口に分けて飲むから、あと一口と一本あるわけだ。そう思うと、安心した。
席に戻る。いいかげん、アル中の本をまた読む気にはならず、つまみ食いをするようにあちこちの本を引っぱり出してはちょっと拾い読みしてはまた戻すのを繰り返した。
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