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 役人のやることは、辻褄合わせばかりだ。ちっとばかり酒税を増やしたからって、酒で体を壊す人間が増えたら医療費が増えてかえって損だぞ。俺が言うのも変だが。  2本のロング缶を入れた袋をぶら下げて、コンビニから出た。   人通りはないが、胸に隠すように抱えて急ぎ足で戻り、そっと玄関のドアを開けて忍び込む。誰も起きてくる気配はない。  足音を殺して階段を上がり、自分の部屋に入って鍵をかけ、少しほっとした。  胃が荒れているので、すきっ腹になると むっと吐き気がわき上がってくる。  すぐプルトップを開ける。甘ったるい匂いが鼻をついた。少し酔っている時の方が、鼻はきくようだ。  そのまま一気に中の液体を喉の奥に流し込んだ。いちいち口に含んで味わったりはしない。胃が刺激され、吐き気が改めて噴き上げてきそうだ。だがすぐ胃に何かがしみこんできて、感覚がすぐ麻痺し、吐き気が薄れる。  頭がぼうっとしてきた。テレビをつける。さっきと同じニュースを繰り返しやっている。ただ、時刻だけは着実に進んでいた。  朝食までの短い空白の時間、それから後の長い空白の時間を想像しただけで、頭が押しつぶされそうな気分になり、二口目、というより二回目の流し込みをやった。  感覚が麻痺する。     
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