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下らないことを考えながら、図書館に戻る。燃えるゴミ、燃えないゴミが分別されている。缶・ビン類も分けるようになっている。さすが、公共機関。ビール缶とカップをそれぞれ分別して捨てる。後で収集に来る時、ビールの缶を見てどう思うだろうか。まあ、見たからといって捨てないでとっておいて、誰が捨てたか追求するということもないだろうが。しかし追求されたらどうなるだろう。もしかして、この近くに監視カメラがついているかもしれない。金目のものが置いてあるわけではないが、この御時世どこでカメラで撮られているかわからない。それらしいレンズは見当たらないが、今のカメラはものすごく小型化しているのだから、見たってわかるものではない。
毎日のように図書館に来ては、本を借りるでもなくひたすら読んで出ていく、格好だけはもっともらしくスーツで決めている男。世間で怪しまれるには、十分だ。こういう怪しいやつのデータベースが、作られているということはないだろうか。被害妄想か。
なんだか、思考がどんどん非生産的な方向に向かっている。
腹が満たされたら、突然眠くなってきた。だが、眠ってしまうと途端に館員が起こしに来る。不思議なことに、いくら椅子を長いこと占領していてもとりあえず文句は言われないのだが、眠った途端起こしに来る。邪魔なことには変わりないだろうと思うのだが、役所の規則とするととにかく眠るのは許されないらしい。
眠気を我慢して、くわっと眼を見開いてソファの上でグラフ雑誌の写真を見入った。
いくら本を読んだところで、何の目的もないと一向に頭に入らない。それでも形だけは整えないといけない。まるで、自発的に辞めるよう追い込まれた窓際社員の図だ。それでも会社に勤めていれば給料は出るのだが、こうやっていても何にもならない。
(誰かが見ている)
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