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少年のような風貌のキナコですがここでは見た目は年齢と全く関係なく。
年齢自体必要のない場所だという事をこちらに来てから思い知らされて居た平治郎は、相手に失礼のないよう丁寧に答えます。
「恥ずかしながら、すぐに意識がなくなってしまったので、よく覚えておらんのです。ただ、こちらに来てからはずいぶん生きるのが楽になりました。80すぎると生きていること自体が重労働のようなもんでしたから。」
「ま。こちらではみなさん死んでるんですけどね。」
あっけらかんとこんなツッコミができるのも天国ならでは。と、思わず平治郎も心がなごみ、
「いやぁ、参った。そうでした。体も若返ったし、何だか、なんでもできそうな気さえします。」
91歳まで生きた平治郎もここでは20代前半の若者の姿。
《だって、魂にもはっきりとしたビジュアルがある方がよくない??》
という誰かの判断。
そして平治郎がこの姿でいるのにも、実は理由がありました。
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