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「そんな、いけません。第一、ピンさんの卒業証書を私が使ってしまったら、ピンさんが転生するときに困るではないですか!」
平治郎、真面目です。
「ああ、それは心配ないよ。もうすぐ修士号も取れるし、転生する時は院のがあるから、大丈夫。」
なるほど、そういうものなんですね。
平治郎はじっと考えました。
トヨ子は迷わず自分のところへ来てくれた。だったら、自分も迷わず行くべきではないか。でも、不正を犯してまで行って良いものだろうか。卒業証書があるからと言って、ピンが学んだことを自分のものにできるわけではない。魂の力が足りないまま転生してしまって、松下君の家族を悲しませるようなことにはならないだろうか。と。
「ヘイジー、求人はいくらだってある。でも、松下君のお孫さんになれる求人はこれひとつだ。ヘイジーは孫がどんなに素晴らしい特別な存在か知ってるはずだろ?」
「そばにいてあげなよ、ヘイジー。大丈夫。前世は91年も人間界を生きぬいたんだから。ヘイジーにはもともとそれだけの魂力があるってことよ。」
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