新人

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所変わって、こちらも待合。 長椅子には白い服を着た男がひとり。 緊張しているのでしょうか?背筋をしゃんと伸ばし、両手をグーにし、膝の上に乗せ、微動だにせず… いえ、目だけはキョロキョロさせて座っておりました。 すると、向こうの方から男に向かって手を振りながら何やら近づいて来ます。 天使です。 「藤原平治郎さんですね?はじめまして!ワタクシ、天国第3エリア、スピリチュアルアカデミー案内係、平治郎さん担当のキナコです!!」 キナコは平治郎の隣にちょこんと座りこみバインダーに挟まれた資料を読み上げ始めました。 藤原平治郎。享年91歳。 国籍、日本。 死因、餅を喉に詰まらせての窒息死… 「うわー。これは、やっちまいましたねぇ。」 チラッ。 報告書から目を挙げて平治郎の方を見るキナコ。 「80過ぎたら、餅とこんにゃくゼリーには手ェ出しちゃダメですよぉ。苦しかったでしょぉ?」
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