草むら

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エンジンをかけて、車をスタートさせる。 ぽつぽつと雨が降ってきた。 道の脇の緑も雨に濡れて寒そうだ。 あれ、あの草むらにある段ボール箱。 気になって車を停めて見つめていると、その中から小さな動物がはい出てきた。 あの子じゃないか。 子猫は、小さな体で、一生懸命箱から出て歩き出した。 手足も小さく、なかなか前へ進まない。 ふらふらしながら歩いていた。 冷たい雨もその子の行く手を邪魔しているようだ。 遠くに見える鳥居を目指して進んでいる。 でも、危なそうにヨタヨタしながら、止まってしまった。 そして、そこから動かなくなった。 冷たい雨は、その子の体温を奪うように降り続ける。 僕は、慌てて車をおり、その子に駆け寄る。 抱き上げるとうっすら目を開けた。 ああ、生きていた。 良かった。 神様ありがとうございます、間に合せてくれて。 僕は、子猫を抱きしめた。 とても不思議な出会いをした僕たち、僕と子猫は、一緒のベットで今日も仲良く眠っている。 時々は猫パンチがあるが、本当に間に合ってよかった。
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