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 金髪でそばかすのジェフは、ジェフの一家が、アビーの家の隣に引っ越してきて以来の付き合いだ。小さい頃からよく一緒に遊んだ。  アビーは本よりバスケットボールが好きだから、学校ではあまり話さない。けれど、今でもアビーは、こうしてときどき、ジェフの家に遊びに来ている。 「でも考えてみてよ、『ボストン港をティー・ポットにしてやる!』って最高にクールだと思わない?」  辺り一面に紅茶の薫りが漂う赤く染まった海を想像すると、確かに悪くないと思えたが、アビーの口から飛び出たのはこんな言葉だった。 「せっかくお喋りしに来てあげたのに、そんな話ばっかり。ジェフの淹れたお茶は好きだけど」
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