神おくり

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神おくり

4日間続く中間テストも、いよいよ明日は最終日。 高校2年生、最初の中間テスト。 テストが始まってから、一応勉強はした。 夜は1時まで。 朝は4時半に起きて、勉強してから学校へ行った。 睡眠時間、3時間の日々が既に4日続いている。 精神力も体も、すでに限界に近い。 明日、最終日のテストは1教科。 日本史だ。 もうやることはやったんじゃないかと・・・・無理にでも思いたい。 ペンを持ったまま、机に突っ伏すと、自然と瞼が重くなる。 あ~・・・・・このまま、寝てしまいたい・・・・・ いや・・・・もう少し頑張れ。 ぁあ・・・もう寝てもいいような気がする・・・・ だけど、もう少しできるはずだ・・・・ 心の中で、ふたりの俺が葛藤する。 堂々巡りの葛藤の中、静かに目を開けた。 __っ! 机に突っ伏した俺の目の前に、それはいた。 それ。 体長、5センチの小さな爺さんだった。 「眠そうじゃのぉ~」 言葉を失い、眠かったはずの目を見開いた俺の目の前で、爺さんは楽し気に笑う。 呆けたままの俺の頬を、爺さんは小さな手でぺちぺちと叩いた。 俺はゆっくりと体を起こし、目をこする。 が・・・・、やっぱり爺さんはそこにいる。     
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