疫病草

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「えっと,じゃあ,さっそく自己紹介をしましょうか」  俺がそう言うと,全員静まり返えり部屋の空気が熱をおびた。男達の目は香織を改めて吟味しているようで,まるで商品を買うか悩んでいるようだった。 「え~,まず自分が掲示板に募集をかけたユウです。で,こっちがパートナーのアイです」  男たちの香織にまとわりつくような視線が強くなっているのがわかった。最初にカラオケの受付を済ませてくれた男は,じっとりと額に汗をかいていてハンカチで何度も顔を拭いていた。 「じゃあ,アイ。皆さんにご挨拶を」  香織は困った顔をして俺を見たが,立ち上がって軽く頭を下げた。その姿に男達が軽く拍手をしたので,俺も香織もどうしてよいのかわからず苦笑するしかなかった。 「では,それぞれ自己紹介をしてもらっていいですか。じゃあ,右からで」  右端にいた四十代前半の中肉中背の男が立ち上がった。汗をぬぐうハンカチをポケットにしまいながら,笑顔で全員を見回した。 「どうも,はじめまして。バクと言います。今回は選んでいただき,ありがとうございます。好きなプレイは緊縛です。緊縛の縛からバクって名前にしてます。単独としての参加は六回目です」  次に三十代前半の男が立ち上がった。筋肉質な男は,ドリンクを注文してくれたときにはわからないほど引き締まった身体をしているのがわかった。 「はじめまして。ケンです。よろしくおねがいします。こうゆうのに参加するのは二回目ですが,以前はネットで知り合ったご夫婦の専用でした。基本Mです」  そして三十代後半の男も立ち上がり,挨拶をした。曲を入れてくれた男は緊張しているのか,立ち上がる時にテーブルに脚をぶつけ,一度着席して笑いをとった。 「えっと,はじめまして。リュウです。複数に参加するのは以前通っていたハプバーで数回ある程度です。ネットでの参加は初めてです」  最後にいままで何もしなかった男が,俯いたままゆっくりと立ち上がった。誰の目からも緊張しているのがわかった。見るからに若いその男は,応募してきた中でも俺がもっとも気になっている一人だった。 「えっと……はじめまして。大学生,ハタチです。名前はギンです。あの……苗字が坂田なので,好きなアニメのキャラからとりました。こうゆう経験はまったくの初めてで,正直ビビッてます」  場の空気が一気に明るくなり,単独男性たちもギンの参加に驚きつつも大学生が参加することを歓迎していた。 「え~皆さんのプロフを僕は見ているんですが,アイはまだ見ていないので,まずはアイにご挨拶をさせたいと思います。それではバクさんから見せてもらっていいですか」  そういうとバクがソファに座ったまま一気にズボンを下ろし,勃起した男根を露出した。事前に連絡していたとおり,全員が脱ぎやすい服装で来ていたのでズボンを下ろすのも早かった。 「ほら,アイ。きちんとご挨拶しなさい」  香織はすぐに察し,恐る恐る立ち上がると黙ったままバクの前で跪きバクの醜く黒ずんだグロテスクな男根をていねいに舐めはじめた。 「じゃあ,他の皆さんも用意してもらっていいですか」  そういって香織は跪き順番にフェラをしていった。ケンとリュウは比較的サイズも普通だったが,バクの黒ずんで変に反り返った男根は血管も浮き出てグロテスクだった。そしてギンの皮の被った男根は,香織が手で剥いてやるとピンクの亀頭が申し訳なさ気に姿を現した。
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