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次の神頼みはクラス替えの時だった。「神様、どうか彼と同じクラスに」と祈った。そうしてやはり願いは叶い、私は彼と同じクラスに収まった。
次の神頼みは高校二年生の頃だった。臆病な私は恋心だけが募り、彼へ想いを伝えることが出来ずにいた。だから愚かにも「神様、どうか彼が告白してくれますように」と無理な願いを伝えたのだ。だというのに、だというのに。
「僕と、付き合ってくれますか」
私は神様に泣いて感謝した。本当に神様はいるのだと私は確信したのだ。そして、私は神様に愛されているとも。
順風満帆な人生を歩んでいるのだと確信していた。勉強も波に乗り、私は上位に在籍し続けた。
私を羨む人はいくらでもいた。妬ましいとさえ思われていたのかもしれない。それくらい、私は素晴らしい人生を歩んでいたのだ。
これもすべては神様のお陰だと、そう私は信じて疑わなかった。
しかし、麻薬を打ったかのような輝かしい人生は不意に影を潜めることになる。
発端はあまりに些細なものだった。私の友達には何度も失恋を繰り返してきた女の子がいた。彼女にとっての素敵な人はよく見つかるのに、いつもアプローチが上手くいかない。その癖、彼女は縁結びのお守りのひとつも付けていないのだ。
「そんなに恋を成就したいなら、なんでお守りとか付けないの?」
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