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通りがかる生徒が、目をつむっているあたしの顔をみて「ひぃ!」と小さく叫んでいる気がするけれど、あたしは全く気にならない。
だって、この至福のときを邪魔できる人は、世界に一人だっていない……。
…ほら、さっきの蝶々がまた飛んできた。
いや、これは蝶々じゃなくて、ヤマダ……あれ?でもこれ、どっからどう見ても蝶々だよね?人間じゃない。
いやでも、この蝶々を捕まえたら、後々大変なことに…
今は我慢…
我慢、我慢…
ーーヒラリ。
蝶々が目の前で翻った。
「捕まえたー!!!」
バッシャーーーーーーーーン!!!!
あたしは持っていたバケツをぶち撒け、
廊下が洪水になった。
「あ…相沢あぁぁぁぁあ!!!」
「ごめんなさあーーーい!」
……それでもあたしは、やめられない。
だって、昼寝は、至福のとき。
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