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「あ…相沢…?」
あれ、蝶々を捕まえた筈なのに。
なぜかオッサンの声がする。しかも聞き覚えのある、低い声。
誰の声だっけ…なんだか嫌な予感がしてきた。
恐る恐る目を開ける。瞬間、教室中にドッと笑いが巻き起こった。
「う…うおおぅ…」
あたしは思わずうめき声を上げる。
どうやら眠っている間に、保健体育の授業が始まっていたらしい。そしてあたしの右手は、ジャージを着たヤマダ先生のズボンを見事にとらえていた。
勢いよく腕を振り降ろしたもんだから、ズボンは完全に太ももあたりまで降ろされている。つまりあたしの視界、右前方にはヤマダのトランクスが…あっ、トランクス派だったんだね…じゃなくて、この状況は……!
「あいざわあああぁぁ!
お前の成績は1だあああぁぁ!!」
「えっ、えぇーーーーー!?」
ぎゃはははは!嵐のような笑い声が教室中に響きわたる。
「相沢でかした」
「よくやった」
「勇者だなお前は」
「昼寝なんかしてるからだよ」
色んなことを言われてるけど、
あたし、お昼寝してただけなのにぃ…。
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