ひるねねこ。

6/6
前へ
/6ページ
次へ
通りがかる生徒が、目をつむっているあたしの顔をみて「ひぃ!」と小さく叫んでいる気がするけれど、あたしは全く気にならない。 だって、この至福のときを邪魔できる人は、世界に一人だっていない……。 …ほら、さっきの蝶々がまた飛んできた。 いや、これは蝶々じゃなくて、ヤマダ……あれ?でもこれ、どっからどう見ても蝶々だよね?人間じゃない。 いやでも、この蝶々を捕まえたら、後々大変なことに… 今は我慢… 我慢、我慢… ーーヒラリ。 蝶々が目の前で(ひるがえ)った。 「捕まえたー!!!」 バッシャーーーーーーーーン!!!! あたしは持っていたバケツをぶち撒け、 廊下が洪水になった。 「あ…相沢あぁぁぁぁあ!!!」 「ごめんなさあーーーい!」 ……それでもあたしは、やめられない。 だって、昼寝は、至福のとき。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加