チクチクする距離感

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チクチクする距離感

彼女が小柄なのもありシングルで十分ゆっくり寝れた 胸の前で腕を丸めて寝る彼女は、 彼女なりの配慮なのだと思った 僕と彼女のボーダーライン 初日は、お互いに気を使い抱きつく事もなく寝た お互いに寝れば寝る程ボーダーが甘くなった 寒いときなどは、積極的に彼女から抱きついてきた お互いに何も起きない何かを起こそうという考えも起きない まるで幼稚園でのお泊まり会の様な心境にいた 少なくとも彼女は、そうだった 添い寝案をだしてからも睡眠薬は、飲んでいた ただ、最初に比べて飲む量は、減っていた 彼女は、スポーツ系の明るい性格をしていた さすがに彼氏が意識不明 上京して一人の生活に不安から ストレスを感じていたのだろう 僕が側にいる様になり寂しくなくなったのだと思う 前までの彼女とまでは、いかないが 少し落ち着いた振る舞いに見える程に元気を取り戻していた ただ、タケルと一緒にいた時のような明るさは、 まだ、戻らない 側にいるのに自分では、役不足なのだと 時々、チクチクと感じた それでも今日も添い寝をする 腕枕をしてみたり背中に抱きついてみたり 寝相が悪いふりをして足を絡めたり チクチクする分、彼女と触れあうことで心を満たしたとした 大学に行ってお見舞いに行って彼女と合流して買い物をして そのまま彼女の家に行く タケルのいたところに自分がいると 錯覚する程に溺れそうな彼女との楽しい時間 心のどこかで思っていた タケルなど起きなければいいのに そんな気持ちも忘れた頃に現実に引きもどされる 彼女からの突然の電話 「どうしたの? 今、講義中で」 「タケルが起きたの!!目を覚ましたの!!」 「え。。。。」 複雑でめまぐるしい思いで意識が遠のく
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