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複雑
いつ授業が終わったのかもいつ病院に着いたかも覚えてない
ただ、気づいた時には、病室に入っていた
はぁーはぁーと酸素マスクの音を荒あらしくならしながら
タケルは、「よっ」とだけ返事をした
「おいっ!大丈夫なのかよ!!
俺たちがどんだけ心配したことか・・・」
「おう、悪いな・・すぐに元気になるから・・
心配すんな・・・」
うつろな目で心配かけまいとすこし笑う顔が痛々しくみえた
いたたまれなくなり
「俺、ジュースかってくるわ!」
と病室を飛び出した
自動販売機のあるラウンジで彼女と出会った
彼氏が目覚めた割には、ぱっとしない表情
「よかったな!タケル目覚めて!
あいつ、いつ退院するんだよ?」
「様子見だって経過をみて退院を考えるだって」
「そっかー早く退院できたらいいよな!」
「私、まだ、言えてないんだーあんたが泊まりに
きてる事・・・」
「まーまだ、起きたばっかだからな
理解できねだろーけど俺がお前の事が心配で泊まって
たんだから問題ねーだろ」
「まーね・・・」
「心配なら今日で最後にしよーぜ
お前も睡眠薬、使わずに寝れる様になったし
タケルも目が覚めて心配事もねーだろ」
「うん。そうだね」
「なんだよ!その暗い顔は!
俺たちは、やましいこと何もしてねーし
起こりもしねーだろ!!ほら、タケルが待ってる
病室に戻るぞ!」
「今日で最後」
自分で言った言葉が心にひっかかる
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