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立花の一声に、女子達が
「そうそう!
先生ー。
もっと見やすくしてください!」
とつられて口々に言い出した。
一方の先生は、
「ごめんごめん」
と言いながら書き換える始末。
立花って、どこかの王子か?
まるで、王子と結婚して、地位が欲しいだけに群がる女と、その王子みたいな絵面になっている。
こういうの、本当に嫌だ。
授業妨害みたいな感じのやつ。
せっかく人が意気込んでいたのに、壊しやがって。立花が、椅子から首だけを少し曲げてこっちを見ていたけど、思いっきり無視した。
あーあ。
さっきのあの言葉に惑わされていた自分がバカみたいだ。
なんで、顔が赤くなってしまったのか。
どうせ、立花はモテるんだし、こんなおとなしい女に気なんてあるはずがない。
ただのペットと同じ。
良い言葉だけを並べて、相手を魅了させる。
それからは、立花の自由。
これが、立花海弥のやり方なんだ。
新しいクラス2日目にして、私は目に涙を浮かべてしまった。
どうしてあんな人に心を傾けてしまったんだろう。
どうして?
悔しくて涙がたまっているのか、悲しいのか、どちらも分からないけど、私は初めて自分の気持ちに気付いてしまった。
「あなたに手を振られた瞬間から、私は恋に落ちました。」
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