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「貴女の趣味に合わないかもしれませんが……良かったら、貰ってやってください」
おどける貴志さんにぶんぶんと首を振って、否定する。
「趣味に合わないだなんて……。凄く嬉しい!! 欲しかったし、何より、貴志さんが私の愚痴もどきを覚えてくれてたことが嬉しい!!」
「それは良かった。正直、突っ返されたらどうしようなんて思ってたから……」
「か、返しませんよ!! もう、私のものなんですから!! 返しません!!」
ぎゅっと隠すようにしてアロマポットを抱き締めると、貴志さんが苦笑した。
「はいはい」
「ありがとう!! 大切にするね」
もう一度、アロマポットの模様をじっくりと見る。
精巧で美しい薔薇に惹かれる――。
アロマポットを見つめている私の頬に、するりと貴志さんの手が触れた。
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