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「何をしてるの?」
体育館の倉庫の前、たむろしている三人の男達に冷たく声をかける。
一人の男が「ヤベッ……生徒会かよ」と呟いた。
「うん。生徒会だけど? それが? 私は『あなた達がここで何をしてるのか』と聞いてるんだけど?」
別の男が舌打ちをした。
「……アルファでもない癖に、生徒会生徒会ってデカイ顔しやがって」
「なに? 言いたいことがあるなら、はっきりどうぞ? 生徒会に不満があるようなら、会長と顧問にも、その旨、伝えておくから……」
舌打ちをした男が気色ばみ、何かを言い返そうとするのを三人目の男が制止した。
「なんでもありませんよ。ですから、俺達が倉庫でサボろうとしてたの、内緒でお願いしますね」
そのまま、私の返事も聞かず、三人目の男は二人に「行くぞ」と促し、立ち去ろうと歩き出した。
舌打ちをした男が私の横を通り過ぎた時、私にも聞こえるようにはっきりとこう言った。
『アルファ擬きのくせに。どんな手を使って生徒会に取り入ったんだ』
──性格わるっ!!
わざと、私に聞こえるように言うって、性格わるっ!!
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