第二章 寺鷹貴志

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「貴志さん?」 貴志さんの手が――私の顔を上に向かせ、そのまま優しいキスが――私の唇に落とされた。 「貴志さん……」 「アロマポットひとつでそんな子供みたいに喜ばれたら……可愛くて。僕の抑えが利かなくなる……」 もう一度、優しくキスをされ―― 私の目をじっと見つめ―― 「まずいな……。本気で抑えられない……」 次は噛みつくような、深いキス――。 それに答えるようにして、キスを受け止める。 互いの荒い息づかいが部屋に響き、交差する。 貴志さんの手が、私の服のボタンを外し、服の中に入り込んできた。 「たか……貴志さん、待って……」 服の中に入り込んできた手を押し返す。 貴志さんの唇から離れ―― 「ごめん……。あの……シャワー、浴びさせて……。仕事で……汗をかいてるし、埃っぽくなってるから……」 荒い息を整えながらそう言うと、貴志さんが笑った。
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