プロローグ 堕天の誘惑

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「やめとけ!!」 「止めるな!! こんなクソ女……一発、殴るぐらいでちょうどいいんだよ!!」 「クソ女だろうが、生意気だろうが、こいつは生徒会執行部だ!! 手を出したら、生徒会の連中が絡んでくる。やめとけ!!」 「クソ女……。もうちょい、ボキャブラリーをなんとかした方がいいんじゃないの? あ、ボキャブラリーの意味、わかる?」 「この……!!」 「やめろ!! バカ!!」 二人に所属引きずられるようにして、殴りかかってきた男は、連れて行かれた。 「あー……本当に、低俗で頭が悪い連中だこと!!」 聞こえよがしにそう言って、体育館倉庫の方に視線を投げつける。 「そう思わない? カンパ君?」 体育館倉庫の中にそう呼びかけたが、返事はなく。 「……居るのはわかってるから。前から言ってるでしょ? あなたの居場所はわかるんだって」 「……鬱陶しい。質の悪いストーカーみたいですよね、貴女……」 言葉通り、鬱陶しそうなくぐもった声で、そう返答された。
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