第三章 鎖~chain~

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男──銀狼が、瑠璃子からグラスを取り上げながら── 「振られた腹いせに俺を呼んで、やけ酒飲みながら、俺に絡むんなら……俺は帰るぞ。酔っぱらい女に付き合ってられるか」 「ふん……」 瑠璃子が、取り上げられたグラスを銀狼から奪い返し、再びグラスを煽る。 そんな瑠璃子を見ながら、うんざりといった風に銀狼が顔を歪めた。 「……言いたかないんだけどさ。瑠璃ちゃんのそういうところが、寺鷹のやつを遠ざけてんじゃないの? あいつ、鈍そうに見えて割りと鋭いとこあるから」 「なによ? お説教のつもり?」 「そんなんじゃ……いや、そうか。説教だな。これは。まぁ、君とは高校の時からの付き合いだし。これでも心配してんだよ」 「てかさ……」──と、銀狼が瑠璃子の顔を覗きこみ。
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