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レイ「ちくしょう...」
薄れ行く意識の中 残されたのは悔しさのみ。
しかしそれだけでは崩れる体を起こす事は出来ない。
力尽き 獅子に組み伏せられる妖狐。
「ワン!ツー!!スリー!!!」
カンカンカンカン!!
実況「けっちゃーーーく!!ホントにこれが1回戦か!?死闘!激闘!超絶技巧の打ち合い!!制したのは村雨シンだぁぁぁ!!!」
メインイベントに相応しい試合内容に客席は痺れていたが リング上の2人は物理的に痺れている。
キリコ「レイ!」
セコンド陣と共にキリコはリングに駆け上がり倒れるレイにアイシングを行い慎重に介抱する。
シン「オラァァ!!」
そんなキリコに蹴りを入れるシン!
荒ぶる!そんな言葉がピッタリだった。
キリコ「コノヤロウ...!!」
それに腹を立てたキリコが打ち返す!
もみくちゃになる2人!控えの若手が追加で出て来てキリコとシンを離す!
シン「キリコォ!キィリィコォ~!!てめぇ人の心配してる場合かコラ!随分偉くなったなこの落ちこぼれ!!」
シン「次はエリカ そしてお前だ...お前まだ試合もしてねぇだろうが!俺はエリカをぶっ潰して決勝で待ってるぜ...負けんなよコノヤロウ...」
そう吐き捨ててもう一度蹴り!
カッとなったキリコとそれを煽るシンをセコンド達が必死に別け事なきを得たが2人の気炎は燃え上がるばかり。
仲間を慮りながら去るキリコ。
それに対して道の前には敵多く 歩んできた道には切り伏せられた敵の骸が転がり 隣には友はなく共に行くは足元の影ばかり。
仲間の敗北を受け そしてかけがえのないライバルの強さに燃え上がるキリコ。
仲間を切り捨て ただただ己の強さを頼りに先に進むシン。
同じ家から旅立ち それぞれ激闘を繰り広げ 全く正反対の道を歩んで来た2人が交錯する。
その為にはキリコはあと2回 シンはあと1回 それも飛びっきりの強敵龍造寺エリカを倒さねばならない。
その事実がさらに2人を燃え上がらせる!
キリコの相手は未だ謎のX しかしそれがなんの問題になるのだ?
キリコの目は静かに 熱く 燃え滾る。
まずは目の前の相手を そしてその先に待つ宿敵を目指す。
キリコの負けられない戦いが始まる!
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