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キリコは改めてレイの天才たる所以を感じている。
自分では決して思いつかない様な合体技 どんなに激しく戦っていても冷静さを失わず常に的確に動く。
技のレパートリー 自らにはない華麗なテクニック 百花繚乱のプロレスに戦いながらも見とれていた。
故にキリコはいかにレイの邪魔をせず それでいて自分も暴れるにはどうすれば良いかに頭を悩ませている。
そしてレイもキリコの呆れ返るばかりの底無しパワーとタフネスをいかに取り入れるかに思案を巡らす。
単純なパワーなど自分の3倍はあるだろう。この前などキリコが好むトレーニングとして見せてもらったのが なんと乗用車を後ろからひたすら押すというイカれたトレーニング。
それをキリコは造作もなくやってのける。全く止まることなく車をグイグイ押し込む馬力。
その他にも模擬試合で自分を放り投げた時の高さとスピード 人体という持ちにくい物体をここまで自由自在に扱える怪力には無限の可能性がある。
しかし中々上手く噛み合わない。
この前までは拒絶していたが今度は2人を活かそうとすれば共倒れ。全くもどかしいものだ。
「一体どうすれば...」
この日の午前トレーニングを終え昼食に着いてもレイは悩む。
「いただきま~す!」
そんなレイの気も知らずキリコは今日も山盛りの飯を平らげ始める。
「見慣れたけどお前ってホントに喰うな...どんな胃袋してるんだ?」
「レイは食べなさすぎ!体はご飯で出来てるんだよ!」
「はぁ 私はこれでも腹破裂するまで食べてるんだ。マクラウド星人は少食なんだ。」
レイの食事メニューは低カロリー高タンパク 野菜中心の完璧に計算された献立。
それに対しキリコは高カロリー高タンパク 肉 炭水化物 それを上回る量の野菜。腹ぺこ男子学生も逃げ出すようなこってりメニューだ。
「もぐもぐ!あっ!そうだ!アレやってみよう!」
もう一の膳を平らげたキリコはお代わりを取りに行く。
「ヒヒヒ こいつはご機嫌なメニューだぜ!」
キリコがテーブルに広げたのは大盛りのカレーライスにカツ丼
もうレイは胸焼けを起こしそうになる。
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