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第17話 戦いの果てに
「うぉぉぉぉ！！！！」
キリコが吼え 痛め付けられた肘を剣に変えて赤黒く染まったピエロに突き立てる！
ガチッ！！
骨と骨がぶつかる！頬の肉が衝撃で波打ち傷物の美貌が更に歪む。
「はぁぁ！！」
ガンッ！ ゴキッ！バツンッ！！
「糞が...痛てぇじゃねぇか...」
「赤嶺復活ぅ！！！ダメージを意地と根性で飲み下し偽りのチャンピオンを攻める攻めるぅ！！」
「ぬぉぉぉ！！」
「調子に乗るなぁ！！」
おどける事を忘れたピエロが痛みと苦痛に向かって突っ込んでくる！
コンパクトなキリコの間合い 荒れ狂う暴風雨の中心に自ら飛び込んで来たマーダーはお返しとばかりに肘をキリコの水月にぶち込む！！
「ゲボッ！！」
「はっはぁ！！！」
攻撃が止む僅かな隙 百戦錬磨のマーダーには永遠にも感じる空白！
まるで触れられぬ蜃気楼
あっという間にキリコの視界から掻き消え背後に回り込み ありとあらゆる悪事に染めてきた腕をキリコの首に巻き付け 締め上げる！
「こふっ...」
「マーダーのスリーパー！！これでは赤嶺の鬼神化も厳しいかぁ？？！！」
「鬼神化はパワーと打撃に対する耐性は跳ね上がるが絞め技 サブミッションに対してはさほど意味をなさない！マーダーは巫山戯たり 悪質反則が目立つが本来は相手の良さを飲み込むクレバーなレスラー 流石と言えますな！」
「ぎゃはははは！！落ちろやぁ！！」
「けはっ...ごぼっ...」
酸素を遮断され下半身から力が抜けて行く。
そうなれば更に首が締め付けられる。
遂には無双の剛力を宿す2本の腕からも力が抜けて行く。
「オラァ！服部止めろぉ！！こいつ殺しちゃうぞぉ！！」
「赤嶺！！ギブアップ？？」
「ﾉｯ...ﾉｫ...」
締められた喉から絞り出した声で降参を拒絶するキリコ。
しかし意地を張るほど地獄は深く 厳しくなって行く。
「立てぇ！！キリコォ！！！」
バンバンバンバン！！
薄れ行く視界に仲間達が映る！
彼女達は人組とは違う。
多人数相手ならいざ知らず 神聖なシングルマッチとなれば例えキリコがどんな苦境に立たされようとも決して手は出さない。
ただ信じて鼓舞する。それだけであの赤嶺キリコと言うレスラーは立ち上がると確信しているからだ。
↓スリーパー
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