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第5話 海賊の流儀
「さぁ~始まりました!本日のメインイベント 赤嶺 稲荷場組 VS セクシードランカーズ!まずは赤嶺と兼丸がマッチアップ!」
「本日の解説はお馴染みレオポンさん!レオポンさんお願いします!」
「よろしくニャン!」
「シャッ!来い!!」
気合いを漲らせキリコがコーナーから飛び出す。
「うっぷ…デカい声出すなよ...気持ちわりぃ...」
そんなキリコとは対照的にヨタヨタと今にも倒れそうにコーナーから離れるイバラ。
徐々に2人の距離が縮まる!
「フッ!」「よっと!」
ガッ!
「ファーストコンタクトはロックアップ!!ガッチリと組み合った...のか?」
「はにゃぁ...」「なんだぁ!?」
ロックアップの瞬間キリコが力を入れるまでもなくイバラの全身の力は抜け組み合ったまま ふにゃふにゃとへたりこんでしまった。
「真面目にやれ!!ぬおぉぉぉ!!!」
「おーっと赤嶺自慢の怪力で倒れた兼丸をロックアップの体勢まで持ち上げる!」
「いたた!すげぇ力!」
「このまま押し切ってやる!!」
イバラのペースに呑まれないために早くも全力を出す!
しかしイバラは百戦錬磨の曲者。真っ直ぐ過ぎるキリコを手玉に取るなど赤子の手を捻る様なもんだ。
「はぁ~」
「酒くっさ!!」
ここでイバラはまさかの攻撃!酒臭い息をロックアップで額を合わせたキリコに浴びせかける。
「よっと!」
「速っ!!」
「おーっと兼丸まさかの吐息による攻撃からの素早い体勢の入れ替え!赤嶺をヘッドロックで捕獲!!」
「ぐぅぅ 凄いヘッドロック...」
イバラの故郷惑星ザンリンの人々は蛇の様な生物を祖先にもつレプタリアンだ。
だらりと長い腕をキリコの頬骨に巻き付けミチミチと締め付ける。
しかしその程度で怯むキリコでは無い!
頭に走る激痛に耐えながらロープに体を預け勢いを付けてイバラを対角線のロープに投げる!
「おえっぷ...」
バタン!
「はぁ!?」
「おーっと!兼丸ロックアップで力尽きてのか?ロープまで走る事が出来ず前のめりに倒れたぁ!?」
「訳分からない!なんだこの人?」
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