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変身ドライバー
走る二人の男。
一人は二十歳前後の若さであろう。もう一人は四十路を超えたあたりの中年といったところであろう。
若い男は、筋骨隆々としていて精悍な顔立ち。正義感漲(みなぎ)る鋭い目を持っている。
中年の男は、若い男と正反対で頭脳派といった雰囲気。掛けた眼鏡が、印象を更に強くしている。
その二人が息も絶え絶えに必死で走っている。特に、中年の男は苦しそうだ。
何かから逃げている? 逃げているのではなく、追われているのだ。単に逃げるだけなら、後ろを振り返ったりしないで走ればいい。
少し視線を彼らの後ろへと向けると、追っている者が見える…。一人ではないから、追跡者は者達であった。
「追え! 絶対に逃がすな!」
追跡者達の先頭にいるものがリーダーであろう。他の者達に檄を飛ばしている。
前を行く二人が、角を曲がったところで、突然終わりを迎えた。
袋小路。それが終わりの名前。
追い詰められ窮地に陥る二人。
覚悟を決めたように中年の男が持っていた銀色のアタッシュケースを開く。中には緩衝材に守られたものが収められていた。
「これを使え!」
取り出し、若い男に渡す。
「これは?」
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