三本目の電話

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三本目の電話

電話をかける先は、もちろん夏樹だ。 「夏樹に連絡するから、戻ったら一緒に秋哉のところへ行ってくれ」 コール音を鳴らしながら鈴音に言えば、鈴音もコクリとうなずく。 ところが、何度呼び出しを繰り返しても通話がつながらない。 「?」 まだ夏樹の仕事が始まるような時間ではないし、女の子と遊んでいても、電話ぐらい出られるだろう。 いや、そんな場合じゃないことも、あることはあるが。 「……まだ昼間だぜ」 自分のことは棚に上げて、つい愚痴が出る。 それにしても夏樹と連絡がつかないのなら、鈴音にはひとりで行ってもらうしかない。 まだ明るい日中だし、向かう先には秋哉もいるわけだしと、 「悪いけど先に秋哉んとこへ行ってくれるか? 冬依と合流したら、俺もすぐに向かうから」 その時、コール音が止んでやっと通話がつながった。 ほっと胸をなで下ろして、 「夏樹どこにいる? すまないがすぐに戻ってくれ」 靴に足を突っ込みながら告げると、 「……あのう、もしもし」 電話の向こうからは知らない男の声がした。
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