小話1(プロポーズ)

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堤の舌をなめ上げ絡める、最初はおずおずとされるがままだった堤の舌が次第に俺の舌に絡めるような動きになってくる。俺も堤の舌や上あごをべろりと舐め上げる。 どのくらいそうしていただろうか、飲みきれなかった唾液が、堤の口からぼたぼたと垂れるころになってようやく口を離した。 堤は真っ赤な顔をして、上手く息継ぎができなかったのであろうゼイゼイを息をしている。 「大丈夫か?」 朝っぱらからやりすぎた自覚のある俺は訊ねる。 まだ、潤んで焦点の定まらない視線をしている堤は一言 「ちゅーきもちかった。」 とだけ返した。 なんだ、俺の理性を試しているのか?じりじりと自分の冷静な部分が焼き切られていくのを感じるが、今はまだ朝、ぎゅうっと堤を抱きしめるだけにとどめた。 「なあ、今日、ご両親にご挨拶に行きたいんだけど大丈夫か?急だけど。」 少し落ち着いた、堤に訊ねる。 「ご挨拶?」 「『登録』の件とか、きちんと説明しておきたいし。一応俺はお前と結婚するつもりだからその挨拶に行きたいんだけど。」 堤は真っ赤になりながら、「母さんに確認してみる。」と言って、電話を取り出した。 冷静になってから話したいとのことでベランダを貸してくれと言う堤。 堤が電話している間に、俺はキッチンで朝食の準備をする。     
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