小話1(プロポーズ)

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はっきりいって男の一人暮らしだ。大したものは無いが、冷凍しておいたパンをトーストして、カップスープを入れる。 「夜だったら、父さんも母さんも大丈夫だって。」 そういいながら部屋に戻ってきた堤。 朝食にしようとダイニングテーブルに誘う。 「本当に、結婚するの?」 おずおずと堤が聞いてくる。 「俺は、お前のこと、結婚したいくらい好きだから、したいよ。まあ、今の法律じゃ、男同士で未成年だと結婚も養子縁組も無理だから、事実婚だけど。」 まだ、結婚というところまで俺の事が好きではないのかも知れない。まあ、恋人として付き合った期間も全くないわけだし、実感湧かないよな。 でも、昨日確かに堤は俺の事好きだと言ってくれていた、それが俺の様に重たい愛じゃなかったとしても、もうたぶん手放してあげられない。外堀から埋めていって、俺から離れられないようにしたい。 昨日までの俺であれば、ただ、友達として幸せを願っていられたが、今はもう無理だ。 「……俺も、結婚したいよ。」 そう堤に言われる。顔はお互い真っ赤だ。 「末永く、幸せにするから、ずっと一緒にいてください。」 せっかく、言葉を操る仕事をしているっていうのにこういう時に気のきいたセリフが思い浮かばない。月並みな言葉を言う俺にお前は 「こちらこそ、よろしくお願いします。」     
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