273人が本棚に入れています
本棚に追加
伴侶になろうか
--堤視点
サラリーマンの父さんがいて、怒ると少し怖いけれど優しい母さんが居て、可愛い可愛い妹が居る。
日曜日には家族で遊びに出かける事もしょっちゅうで、ごくごく普通の家族。
学校は普通の公立高校で、友達もいる。
一番仲の良い友達は木藤要。
中学生にして小説家デビューをした所謂天才だけど、とても親しみやすくてどちらかと言うと真面目で面白みの無いおれと何でだかとても気が合って、学校では大体何時も一緒に行動している。
好きな人、は居る。
多分恋が叶う事は無いのだろうけど。
木藤が好きなのだ。
付き合いたいとかそういう気持ちが無いと言えば嘘になるけど、どうにかしたいとも思わない。
今の友人というポジションは居心地が良かった。
そんな、普通の、普通だけどとてもとても幸せな日々をおくっていた。
だから、それは青天の霹靂だった。
妹が40度近い高熱を出して病院を受診した。
その時は単なる風邪だろうとの診断だったが1週間経っても下がらない熱に、医師は総合病院を紹介した。
その総合病院で突き付けられた結果におれ達家族は衝撃を受けた。
妹が『ネコ』になるのだと医師は言ったそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!