伴侶になろうか

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整った顔立ちにダークカラーのスーツはとても良く似合っていた。 それに比べておれは面白みも無いただの高校生だ。 しかも今はネコというおまけ付きで。 でも、例え木藤が気の迷いだったとしても今こうやって一緒に居てくれようとしている事が嬉しくて何も言えなかった。 母はあんこが好きなので木藤にそう伝えると、ようかんの詰め合わせを買っていた。 夕方、いつも二人で高校から帰っていた道を歩く。 とても不思議な気持ちだ。 何か声をかけようと思って色々考えた。 「今日、学校大丈夫だったのか?」 耳がはえてしまってからおれは高校には行っていない。 だから完全に失念してしまったんだけど、今日は平日だ。 「ああ、連絡はしてあるから大丈夫。」 「本当に?」 「ああ。 なあ、俺が堤に会うためだけに高校通ってたって言ったら信じるか?」 「へっ!?」 冗談だよなと返そうと横を歩く木藤の方に顔を向けて驚いた。 こんな顔の木藤見た事は今まで無かった。 口角は緩く笑みを作っていて、その双眸は優しいものだ。でも、瞳は真剣そのもので嘘や冗談を言っている様には見えなかった。 おれはただ、口をハクハクと開けたり閉めたりする事しか出来ない。 「なーんてな。ご両親待ってるだろ?急ごうか。」     
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