伴侶になろうか

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「お、おれは、木藤と離れたくない。好きなんだ。 ……登録料の事は申し訳無くて、しちゃいけない事だって分かっているけど、それでもおれは木藤と一緒に居たいんだ。」 それを聞いた父は寂しそうな顔をした後 「不束者ですが、よろしくお願いします。」 そう言って木藤に頭を下げた。 「ありがとうございます。」 木藤とおれ二人で父さんに頭を下げた。 母さんが、じゃあ今日はお祝いね、木藤君、あれ?お名前なんて言ったかしら、そうそう要君、要君もご飯食べていってね、と明るく声をかけた。 加奈が、お兄ちゃん結婚するの?と言ってうんそうだよと頷く。 父さんは夕食を食べながら、木藤に仕事の事、これからの事を聞いていて木藤はもニコニコしながら答えていた。 現実感は全くないけど、ホッとした。とにかくホッとした。 ◆ 21時近くになって、木藤は家に帰る事になった。 おれはゆっくり家族で話をして欲しいという木藤の希望で暫くは自宅で過ごす事になった。 そこまで見送るという体で二人アパートの前に立つ。 「木藤ありがとう。すごい冷静で恰好よかった。」 おれが言うと、木藤は照れたように笑った。 「そう見えてたならよかった。見ろよ、手は震えてるし膝はまだ笑ってる。」     
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