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「好きだ、愛している、キスしたい、抱きたい、そういう意味だが?」
そう言って、木藤は堤をまっすぐに見る。
どんな返事が返ってきても気を使われているとしか思えない、木藤はそう思っていたが『ネコ』はいいな。
真っ赤になった顔に垂れた耳、何よりピコピコと嬉しそうに揺れる尻尾で堤の気持ちがある程度分かってしまった。
「……俺も好き。」
堤の言葉がじんわりと木藤の体と心に浸みわたる。
「でも、そんな大金、出してもらう理由にはならないだろ。」
「そんなの、結納金だとでも思っときゃいいだろ。」
「ゆ、結納って!!」
尻尾膨らんでますよ、堤さん。
あー、ほんとにもうかわいくてたまんねー。
「結婚を前提にお付き合いしてくださいってことだよ。」
木藤はそう言って、堤の手を取り、手の甲をベロリとなめる。
返事は?手を取ったまま尋ねると顔どころか首まで真っ赤にして、目をそわそわと動かしながら小さく「はい」と返ってきた。
終わり
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おまけ
木藤「ほら、俺の名前呼んでみろよ。要だぞ。」
堤「か、かにゃめ…、いや今のなし、かにゃ……。」
木藤(ネコ語になってる、かわいすぎるだろ。俺の理性いつまで保つのか…。)
堤「今まで通り、名字じゃ駄目か?」
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