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朝、もぞもぞする毛布の中の堤。ああ、起きたかと思い声をかける。
「……あれ?おはよー。」
まだ、半分寝ているようでぼーっとした顔のまま、舌っ足らずに挨拶をされる。
かわいい、まじかわいい。少なくとも昨日から恋人って事だし、キスしてもいいかなあ。
「なあ、キスしていいか?」
とりあえず、一応聞いてみた。
まだ、ぼーっとしていた堤だけれども、俺の言葉が脳に届いたんだろう。ボンとでも擬音が出そうな勢いで、顔を真っ赤にして、視線を右へ左へ、泳がせている。
普段、あまり照れたりしないタイプだと思っていたが、これは反則だ。かわいすぎるだろう。
毛布にくるまって座っている、堤の顎を手で固定して顔を近づける。
俺の顔が近付くのに合わせてそっと目を閉じる堤を見て、ふっと笑みが漏れてしまう。
そのまま、唇をそっと寄せる。
チュッチュッっと何度も軽く触れるだけのキスをすると、誘うように堤の唇がそっと開いた。
きっと、無意識なんだろうなというのを理性では分かっているのに、止められない。
噛みつく様に唇を合わせて舌を差し込む。
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