小話1(プロポーズ)

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小話1(プロポーズ)

--要視点 ◆ 俺のめちゃくちゃなプロポーズ(?)の後、堤は緊張とか、気負いもあったのだろう、ぼろぼろと泣き出して、そのまま泣き疲れて寝てしまった。 寝室からもってきた毛布を堤に掛ける。 まあ、堤の自宅には先ほど本人からメールをしたので問題ないだろうと思いたい。 (一人暮らしの友達の家に泊まるというのはまあ、問題ないだろうが、これで『登録』の件も合わせて、ご挨拶に行かないといけない。真面目な堤の両親だ。正直少し心配にはなる。) 短めの黒髪とネコ耳を撫でる。 ああ、これからずっとこいつの寝顔をこうやって見続けることができるのか、湧き上がってくるこの感じは多分、幸福というやつだろう。 しばらく、堤の髪の感触を堪能した後、ローテーブルにノートパソコンを出し、立ち上げる。 メーラーをクリックして、担当編集にメールを送信した。 これで準備は大丈夫だな。 かなり急になってしまうが、なるべく早めに『登録』はしてしまった方がいいので明日(というかもう今日か)には、ご両親にご挨拶に行こう。 今日あった色々で、目がさえてしまって眠れそうにない。 俺はあきらめて、結局朝まで、小説を書いて過ごした。     
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