シリーズあらすじ

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 来須アリスはファンタジー小説作家を目指して執筆を続けていたが、いつもコンクールに落ちていた。  そんなある日、アリスは異世界から来たエルフ・ハナコに出会う。彼女は人間世界を題材にした舞台劇を専門にしている『劇団ファンタジア』の座長で、新しいアイディアを求めて人間界に来たという。  アリスは彼女に協力する代わり、自分を彼女の世界に連れて行って欲しいと頼み込む。 ハナコは異世界に対する憧れに共感し、この申し出を受け入れる。  アリスはハナコに人間の世界を案内するうちに、自分たちのいる当たり前の世界が異世界の彼女にとってはファンタジーその物だと理解する。  ハナコとの約束を果たし、遂にアリスは異世界に旅立つ。しかし、そこで待っていたのは想像とは別の世界だった。ハナコの言う通りドラゴンを始め、ドワーフ、ゴブリン、オークなど様々な種族がいるが、魔王のような絶対悪はおらず、種族に対する偏見もないため、むしろ人間社会より平和で先進的だった。そのため、かつて対立があった頃の時代劇が人気で、特にハナコの幼馴染みタマエの『劇団リアル』は上演すれば立ち見が出ていた。  一方、ハナコの劇団は人気がないどころか借金まみれで崩壊しており、劇団員を再結集しなければならなかった。  役者の数も足りなく、劇場も借りられない状況でも、あきらめないハナコに心を打たれたアリスは自分も役者をやる決意をする。今まで友人から演劇部に誘われても、人前に立つのが嫌で断っていたのだ。  人間のアリスの物珍しさも手伝い、少しずつ『劇団ファンタジア』の人気が出てくる。離れていった劇団員も次第に戻り、遂に『劇団リアル』に引き抜かれていたドラゴンとオーガーも戻って来る。    ところが喜んでいられたのも束の間、役者を取り戻され面子を潰されたタマエがそれぞれの劇団の存続をかけた演劇勝負を挑んでくる。アリスはハナコたちと共に一世一代の大舞台に立つことになる。
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