第一話 ハロウィンの奇跡

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アリス「知ってるでしょッ? けっこう長い付き合いなんだから!」    息を吐いて落ち着きを取り戻す。 アリス「それに……」 美沙「人前に立つのが苦手だって言うんでしょ? なれるよ、そのうち」 アリス「なれないよ! ってか、なれるほどやりたくないしッ」    美沙、困ったような顔をする。 美沙「あんただって知ってンじゃん、ウチの部、人数不足で廃部の危機なんだよ。   先輩、台本書ける部員が欲しいって言ってるし、助けると思って、お願い!」    両手を合わせてアリスを拝む。 アリス「ファンタジー、書かせてくれる?」 美沙「それはムリ!」    手を振ってキッパリと答える。 美沙「ウチの部、伝統的に現代劇専門だもん」 アリス「じゃ、ほか当たって」    席を立ってバッグを肩に掛けて帰ろうとする。 美沙「ちょっと、友達でしょ!」 アリス「役者をやらないのとわたしが書いたファンタジーを上演すること。   いくら友達でも、これだけは譲れません!」    アリス、画面からアウト。 美沙「もうッ、意地っ張り!」    頬を膨らまして見送る。
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