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アリス「知ってるでしょッ? けっこう長い付き合いなんだから!」
息を吐いて落ち着きを取り戻す。
アリス「それに……」
美沙「人前に立つのが苦手だって言うんでしょ? なれるよ、そのうち」
アリス「なれないよ! ってか、なれるほどやりたくないしッ」
美沙、困ったような顔をする。
美沙「あんただって知ってンじゃん、ウチの部、人数不足で廃部の危機なんだよ。
先輩、台本書ける部員が欲しいって言ってるし、助けると思って、お願い!」
両手を合わせてアリスを拝む。
アリス「ファンタジー、書かせてくれる?」
美沙「それはムリ!」
手を振ってキッパリと答える。
美沙「ウチの部、伝統的に現代劇専門だもん」
アリス「じゃ、ほか当たって」
席を立ってバッグを肩に掛けて帰ろうとする。
美沙「ちょっと、友達でしょ!」
アリス「役者をやらないのとわたしが書いたファンタジーを上演すること。
いくら友達でも、これだけは譲れません!」
アリス、画面からアウト。
美沙「もうッ、意地っ張り!」
頬を膨らまして見送る。
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